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2015年7月7日火曜日

日本に待っている現実





こんにちは。GICスタッフのYumaです。

前回は「グローバリゼーションの影響力」というところから、日本ではどういった場面で英語が必要とされているかを見ていきました。
前回の記事「グローバリゼーションの影響力」
http://genesisinternationalcollegeosaka.blogspot.jp/2015/07/blog-post.html

正直なところ、日本人が学ぶべき英語はとても限定されていて、海外に出るつもりがないかぎりは限定的な英語しか必要がありません。

それでは日本では今後も、たとえばインドやシンガポールで普及しているようなレベルでは英語は話されることはないのでしょうか。

現在のところは日本人が日本国内で英語だけで生活する機会はありません。
ですが、現状のままずっと状況が変わらないということもありません。


現在、世界ではいくつかの大きな動きがおこっています。
ピケティの著作「21世紀の資本」にも書かれている富裕層とそうでない層との経済格差、ISISをはじめとする残虐なテロ事件、ロシアや中国などアメリカ中心の世界に反発する動き、ギリシャの財政問題、などなど。
これらはすべて日本にいれば関係ないようにみえますが、確実に日本にも影響する事柄です。

貿易依存、海外観光業の萎縮等、なぜ影響するようになったかを取り上げればまったくべつの記事ができてしまうのでここでは取り上げませんが、これほどまでに世界と日本が密接に連動するようになったのも近年のことです。
日本はもうすでに世界のほかの国々に依存しなければ生きていけない国になってきています。


もしこのまま日本の人たちが海外で経験を積むことをせず、自国の便利でらくな暮らしに甘えつづけているとどうなるでしょうか。

今回は日本で起こっているいくつかの出来事について書き、そこから考えられる結末を予想してみたいと思います。

今回のポイント
  •  高齢社会
  •  移民問題 
  •  優秀な人材の流入・流出

1.少子高齢化社会
英語に焦点を当てたブログですので、こまかい点は省きますが日本は「超高齢社会」と呼ばれています。(2014年総務省発表データ)
データによれば、人口の25%以上がすでに65歳のお年寄りであり、その比率は増加の一方で2035年には3人に1人が高齢者になります。一方で出生率は下がり、若者の人口比率はどんどん下がっています。(参考:Wikipedia「高齢化社会」へ

少子高齢化社会が深刻化していくとどんなことが起こるか、想像してみたことはありますか?

若者の人口比率が減るということは若者の需要が減るということです。商品開発やサービスは高齢者に特化したものが増えるようになり、 市場が縮小しお金も落としていかない若者に焦点を当てる企業が減少していきます。

国内経済は自然と衰退していきます。市場は縮小し、iPhoneなども高額になり、若者には手が届かないものになるかもしれません。 需要の質が変わり、最先端技術を享受できなくなることも起こりうるかもしれません。

生き残りをかけた多くの企業は「英語化」して、海外に目を向けていくかもしれません。そのとき優先的に採用される人材は日本という箱のなかで育てられた人材よりも、挑戦をおそれない、海外に免疫のある人材です。

政治は若者よりも高齢者寄りの政策を優先するようになります。民主主義ですので、政治家は多数派に接近していれば確実に多くの票を獲得して当選できます。若者の意見は通りにくくなります。新しい世代のための教育よりも、高齢者たちだけが得する政策が優先されます。これではいつまで経っても日本の将来に明るい兆しは灯りません。


2035年といえばいまから20年後のことで、それほど遠い未来ではありません。
そのとき、あなたはちっとも英語が話せないままでしょうか?それとも、いまから少しでも勉強して英語でコミュニケーションができるスキルを身につけているでしょうか。

政府もまわりの人もだれもあなたを助けてはくれません。
将来を想定し、やがてくる変化に備えておくことは自分自身の責任です。


2.移民問題
他国と比べて日本は驚くほど単一民族国家です。日本国民全員が日本語を話せて当たり前ですし、日本国民全員が日本的文化を共有していることが当たり前です。

しかし人口が減少することで、たとえば人手不足となる介護分野や医療分野などはどのように問題を解消していくでしょうか?政府が取るひとつの手段として看護師にフィリピン人を雇うということが考えられます。

現在日本の移民規制は非常に厳しいものですが、人口減少を考えると規制緩和は避けられません。欠員が生じた分野を他国民で補完するということになれば、生活のあらゆる場面に日本人以外の「日本人」が見られるようになるかもしれません。

中国や韓国、東南アジアからやってきた、日本語を話すことができない「日本人」、日本文化をまったく知らない「日本人」が増えていきます。

そういったグローバル化の影響を受けることで、日本国土では日本語や日本人的感覚というものが通用しなくなっていきます。

英語を話すことが日本語を話すことよりもスタンダードになるかもしれません。
日本は世界でもトップ・レベルの裕福な国です。移民規制がゆるくなるのを心待ちにしている人々は少なくありません。

また、日本は単一民族国家として生きてきたので、スイスほど異国民に対して免疫がありません。在日韓国人にさえ選挙権をあたえることを渋っている日本が、また「共存」という考え方に慣れていない日本人たちが数十年の短いあいだに劇的な変化を迎えるとき、混乱が生じることはおそらく避けられないでしょう。
(参考資料:「地域のあり方と移民問題 日本の将来をスイスから学ぶ」

このポイントでは直接的にグローバリゼーションによる英語の必要性が喚起されることはありませんが、「土壌」は確実に変容していくでしょう。


3.優秀な人材の流入・流出
少子高齢化社会による人口の減少、移民の流入によって日本が大きく変わることはまちがいありません。

とくに生き残りをかけた企業が「英語化」していけば、もはや日本人を採用する必要性がなくなっていきます。もしこのまま日本人が国際的な視野をもって成長しなければ、海外の人材と競争しても勝てる見込みはないでしょう。

また、日本の企業に魅力がなくなっていくことで、国際的な視野を身につけた一部の優秀な日本人の人材は海外に出るほうを選ぶようになります。

もしこういったことが起これば、ピケティが警鐘を鳴らす経済的格差以上の格差が生まれてもおかしくありません。



今回列記した事柄はすべて極端な予想にすぎませんが、少なからずいくつかの問題は必然的に起こります。
それは私たちが過ごした過去20年のあいだに多くの出来事が変わってしまったことからも予想できます。

20年前は携帯電話はほとんど普及していませんでした。インターネットも普及していませんでした。SNSで友人たちとコミュニケーションをとっていませんでした。情報がすばやい速度で交換されるようになり、情報がお金になるようにまでなりました。
変化の速度は時代ごとに加速しています。

いまでは裕福な国だけが良質な教育を受けられるとはかぎらなくなっています。
ハングリー精神をもった発展途上国の人々が、インターネットをつうじて教育を受け、世界を舞台に活躍するようになっています。
 (参考資料:「新時代の教育とは?」TED動画5選


日本の若者はいまのままで、将来突然の世界と競争しなければならなくなったときに太刀打ちできるでしょうか?
らくなほうに傾き、コンフォート・ゾーンから抜け出さないのであれば、我々はいつか世界から取り残されていく運命をたどるしかありません。

「英語が必要だ!」というのは根本的にまちがいではありません。
ですが、「英語」=「あなたを救済する便利な道具」ではありません。

「英語」は手段でしかなく、武器にはなりえません。
武器になるのはあなたの人間性です。

日本人は単一国民国家という環境に囲まれています。
それはいい方向にも、悪い方向にも傾きます。
残念ながら現状は悪い方向に傾いてしまっている人がたくさんいるように思います。


日本人には「英語」というツールと同時に新しい人間性への目覚めが必要です。
Genesis International Collegeはそんな人たちが根本的に、そして大胆に変わってほしいと願っています。そしてそのための教育を提供しようとしています。そしていつか来るまったく新しい時代を切り開く新しい日本人先駆者として、みなさんに世界で活躍してほしいと願っています。